自分の身体との付き合い方 ~普段の生活の中で、心臓のために出来ること~




こんにちは!
Footage訪問看護ステーション瑞穂店の岡野です🐕

突然ですが、皆さんは自分の健康を守るために気をつけていることはありますか?
私は9年間看護師をしていますが「自分の健康に対する考え方って、本当に人によって様々だなぁ。」と、毎日のように感じていました💡
人には各々の価値観がありますし、人それぞれ違うというのは、もちろん悪いことではないと思います!
ただ、人によっては『自分が健康に良いと思ってやっていたことが、実はそうじゃなかったなんて知らなかったよ…。』という方も多くいました💦
🌟自分の身体のことや日常生活上の注意点を知っていれば、体調が悪くなる前にどうにかできることって、実はかなり多いんです。

私が集中治療室や循環器病棟を経験してきた看護師なのもあり、その経験を活かして事業所内で心不全に関する勉強会を開催したところ、スタッフから良い反応をいただきました!😃
そのような背景もありまして…
今回は『自分の身体との付き合い方』というテーマで、特に心臓に焦点を当ててお話できればと思います!

今回のコラムは医療者向けというよりも、
心不全で通院中の方やそのご家族・看護師を目指して勉強中の学生さんに向けに、と考えて作成しました!
少しでも参考になれば良いなと思いますので、よろしくお願いします✨

 

①そもそも、心不全って何?


突然ですが、皆さんは『心不全』という言葉を聞いた事はありますか?

心不全とは「なんらかの心機能障害、すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義されています。
(急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)より)

要するに…何らかの原因で、心臓の機能が低下している状態ということですね!

日本の現状について


次に、日本の現状として『どのような疾病によって亡くなっている方が多いのか?』について、見ていきます💨

死亡率の高い疾病としては…
①がん(悪性新生物):27.6%
②心疾患(高血圧症を除く):15.0%
③老衰:9.6%
④脳血管疾患:7.5%
⑤肺炎:5.7%

となっており、心疾患の中でも1番多いのは心不全となっています。
心疾患は、昭和60年に脳血管疾患を抜いて、死亡原因の第2位となり、死亡数・死亡率ともに増加傾向が続いている状況です。

2018年 人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚労省)より

心不全の方は毎年約1万人ずつ増えており、2030年には130万人にまで増加すると言われています。
では、心不全になると、人間の身体にどう影響があるのでしょうか?😶

②心不全になると、何が問題なの?


そもそも、心不全になると どういった事が問題になるのでしょうか?❓

心不全の症状として多いのは
●浮腫(むくみ)
●体重増加(1週間で2kg以上の増加が1つの目安)
●息切れ
●動悸
などが挙げられます。

これらの症状が続いたり悪くなったりすると
日常生活はもちろんのこと、入院治療が必要になったり、最悪状態が急に悪くなって突然死するリスクもあります❗️

また、症状の出現と寛解を繰り返すうちに、心臓は徐々に悪くなっていき、いつか限界が来てしまいます。
慢性心不全の経過

そう、心不全の恐ろしさは『一度発症すると、治癒が困難』というところにあります❗️

最初にお話した通り、心不全とは「心臓の機能(ポンプとしての役割)が、何らかの原因により障害されたことが原因となる『症候群』」です。
心臓が障害された場合、それらの障害の大部分は、完全には元には戻らないものです。
そのため、心不全になった場合は、心臓の機能が障害された状態であっても、心不全の症状が出現しないように薬を使って症状をコントロール
していく
必要があります👍

③心臓に優しい生活とは?


~日常生活の中で気をつけたいこと~
急性心不全で状態が悪くなっても、入院治療で一時的に症状は良くなりますが、心臓機能は徐々に弱くなっていきます。
そして、全身状態の悪化はQOL(生活の質)の低下をきたします。
少しでも長く、心機能を保ちながら生活を続けていくために大切なのは、結局

🌟『心不全を悪化させない(心臓に負担をかけない)こと』なんです🌟

では、心不全を悪化させないようにするには、具体的にどのような事に気をつけていけば良いのか…
心臓に優しい生活とは何かについて、考えていきましょう!


Q. 心臓に負担がかかる原因には、どういうものがあるの?

A. 心不全を悪くする原因(心臓に負担をかけてしまう生活習慣)は色々ありますが、
今回はそのうちのいくつか例を挙げて対策を紹介していきます!
●塩分・水分過多
→慢性心不全の方では一般的に、軽症の方で1日7g・重症の方では1日3g以下を目標にする事が多いです。
今までの食生活を変えないといけない…というストレスは大きいと思います(毎日の生活に関わってくる事なので、尚更ですよね)。
だからこそ、少しでも『身体に優しく・食事を楽しく・美味しく』するための工夫について、お伝えできればと思います。

・調味料を選ぶ時は…
塩に関しては、料理に混ぜるよりも上から振りかける事によって、塩味を感じやすく、量も少なく済みます。また、塩分の少ないものとしてはコショウやお酢等の香辛料や酸味のあるものを使用すると、塩分を抑えつつ美味しく食べられます。
最近は、醤油や味噌も減塩のものが出ていますね。それらを活用したり、醤油やソース等の調味料は料理にかけるより小皿に入れて、それに付けて食べた方が塩分摂取量を抑えられると言われています(べったり付け過ぎには注意!)。

・塩分チェック!🧂
市販の食材には、大抵栄養成分表示がされていると思います。
練り物やお肉の加工食品等は塩分が高い、というイメージはあるかと思います。
しかし、パンやうどん等の食品にも意外に塩分が多く含まれているため、お買い物の際には気をつけて見てみると良いですね。
※ちなみに…時々『塩分』ではなく『ナトリウム』と表示されているものもあるかと思います。
その時は『ナトリウム(mg)量×2.54÷1.000=食塩相当量(g)』の計算式で、塩分量の計算ができるので、参考にしてみてくださいね

●内服の中断💊
心不全の方は、定期的に通院されているかと思います。
病院で診察を受けた後に、薬をもらっていませんか?それは、心臓を助ける手助けをしてくれるものです。
薬の種類によって、身体の中に水が溜まらないようにおしっこがよく出るようになるものや、血管や心臓にかかる負担を少なくするために血圧をコントロールするもの…その効果は様々です。
どれも、その方の状態を見て出してもらっていると思いますが、実際の現場では
『トイレが近くなるから…。』
『血圧は、少し高いくらいが調子良いと感じるんだよね。』
等の気持ちがあり、ご自分の判断で薬を自己中断してしまう方もいます。
「薬を飲む事で調子の変化があった」「飲むのをやめたい」と思った時は、
自己判断でやめるのではなく、医師に相談しましょう。

●過労🏃‍♂️
心不全のコントロールにおいては、適度な運動も大切です。
しかし、無理をし過ぎて過労になってしまうと、
心臓に過度な負担がかかってしまうので注意です。
心不全の重症度によって適切な活動量は変わるため、主治医と相談しながら、
無理のない範囲で運動していきましょう!

自分の身体と付き合っていくために…


人間誰でも、一生何の病気にもかからない…という方の方が少ないかと思います💦
私は今まで、集中治療・循環器・在宅と、様々な分野で多くの患者さんと関わってきましたが、とにかく十人十色です。
(身体・精神状態や社会的背景など、誰1人として同じ条件の方はいません)

しかし、誰に対しても言えることは、今回のテーマですが
『自分の身体と上手く付き合っていくために、どうしたら良いか考える』
ということが、とても大切だということです!

とはいえ、自分だけではどうにもできないことの方が多いですよね。
「調子が悪い…体調に気をつけているはずなのになぜ?」
「自分の今の状態だと、どういう風に生活すると負担が少なくなるんだろう?」
など、困った時には1人で抱えずに周りに相談しましょう!
私達 訪問看護師も、自宅で生活している方々が『こうやって過ごしたい!』という気持ちに寄り添い、日々お手伝いをしています。

この記事を読んで、改めて健康について考えるきっかけになれば嬉しいです✨